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Germanistik, Philosophie(Aufklärung, Phänomenologie, Logik), Biologie, Musik und Kunst

history

記録:Andreas Blank (2022) Christoph Besold on confederation rights and duties of esteem in diplomatic relations

Andreas Blank (2022) Christoph Besold on confederation rights and duties of esteem in diplomatic relations. In: Intellectual History Review, 32:1, 51-70. https://doi.org/10.1080/17496977.2021.2001886 Blank先生は以前Paderbornに、今はオース…

記録:Aleida Assmann (1998) Der Sammler als Pedant

Aleida Assmann (1998) Der Sammler als Pedant. In: Aleida Assmann, Monika Gomille und Gabriele Rippl (Hg. ) Sammler - Bibliographie - Exzentriker. Tübingen (Gunter Narr) 1998, S. 261-274. 好古家という日本語としての表現は確かに古いのだが、17…

覚書:百科全書に関して

Twitterにポストしたものをいくつか説明を加えて 「定義:百科事典とは、人間が生きる中で学ぶ必要のある全ての領域、簡単にいえば、全世界を、一貫して体系化したものである」Johann Heinrich Alsted (1588-1638)が自らの7巻からなる "Encyclopedia" (1630)…

記録:Saskia Klerk (2014) The Trouble with Opium.

最近必要があって初期近代の薬事について調べている。戦乱絶えない時代にあって外科術と鎮痛効果の薬物は重要だ。Klerkのこの論文は、17世紀前半までにライデン大学で醸成されていた実験科学の風土において伝統的なガレノス主義薬理学(pharmacology)がどの…

記録:Martin Mulsow (2022) Überreichweiten.

読んだ本や論文、もしくは読む必要がありそうな本や論文をここに記録することにした。これまで無数に読んできたのだし、これからも無数に読むのだからこの記録に始まりも終わりもない。記事一つにつき一つ。これは決める。一日にいくつも更新することもあり…

随想 #1

前回李の『AI世界秩序』について簡単なメモを作成した時に、たくさんの論点が頭をよぎっていったため、さてどこから書こうかという思いに至ったのだが、断片的であれ書こというわけで以下端書を残していく。 anti-optimization.hatenadiary.jp そうして考え…

雑記 May. 2022 #1

何の関連性もない雑記 毎日何かしら文献を読みまとめ、さらに何かしら文章を書き、構成を考えるということを繰り返している。このなかで最も頭を使うのは当然文献を読むことであるのだが、しかし文章を書くというのは最も困難なことでもある。これは身体との…

今年出会った本から

今年の十冊のような企画を自分なりに実践することはほとんどないのだが、色々覚えておきたいことも多いので、簡単にメモを残しておくつもりで、今年出会ったたくさんの本の中から日本語・翻訳10タイトル、外国語10タイトルだけ選ぶことにする。そしてコメン…

日記:シェリングについてメモ

今日は一日眠気との戦いでもあった。よく眠れなかったのか、疲れが溜まってきていたのかわからないが、いずれにしても睡眠時間は短かった。コーヒーを飲んでもしばらく醒めたかと思うと急に強烈な眠気がやってくる。そんな感じであまり思うように物事進めら…

日記

昨日今日とやはり朝から調子が悪かった。覚醒し、目を開く前から今日はこのしんどさを前提に動かなければならない、というのがわかる。本を読んだりメモを作成したりしていたが、集中力に欠いた。眠りが浅いのか、夢見が悪いのか、酔ったように頭がぐらぐら…

身体が痛い

連日の雨、各地で土砂災害や水害が発生しており、災害が発生していることを認定する制度の存在論的な意味が気になったのはもうひと月ほど前のことかと考えているうち、気分がどんどん塞いでいく。日照時間が短いとどうしても私の場合すぐに体に反応が出てし…

R&Dについて少し調べ物

R&D、つまりResearch and Developmentは研究開発と訳され、研究並びに技術開発とも言われる。これは主に企業や政府が、先端研究への投資を通じて新商品・新サービスの開発を促し、結果的に経済発展をもたらすための一つの手段である。 R&Dの重要性は産業革命…

18世紀に出版された官房学・経済学図書目録メモ

Johann Jacob Moser: Bibliothec von Oeconomischen- Cameral- Policey- Handlungs-Manufactur-Mechanischen und Bergwercks Gesetzen Schriften und kleinen Abhandlungen. Ulm 1758. これはかなり目録としての性格が強い。 www.google.co.jp 一方こちらは…

Martin WaldseemüllerとHeinrich Bütningに関するメモ

Martin Waldseemüller (1470-1520)は著名なドイツの地図制作者。 Waldseemüllerの肖像(19世紀に書かれたもの) 当然フェルメールの「地理学者」(1668-1669)のイメージを借用しているだろう。 Waldseemüllerの地図 彼ののちに18世紀まで売れ続けた聖書地理学…

Johannes Müller、Hermann Helmholtz、Emil du Bois-Reymondに関して覚書 (1)

存在論的な「消去」と認識論的にプラグマティックな態度を取るために「省略」することの間には全く埋め難い亀裂がある。一般的に還元主義といわれる哲学的立場は原因論的な分析に基づき存在論的な消去を遂行していく。しかし19世紀末の世紀転換期に起こった…

ゲーテのカント評、他(エッカーマンとの対話より)

books.google.co.jp Mittwoch den 7. Februar 1827. (S.340) レッシングについて Freytag den 16. Februar 1827. (S.341) ヴィンケルマンとマイアーについて Sie haben allerdings Recht, sagte Goethe, man trifft ihn [Winckelmann] mitunter in einem gew…

Faust Fragment 1790とFichteの啓示批判

イマヌエル・カントの『判断力批判』を引き継いだ議論、つまり第一批判と第二批判の橋渡しの試みを全面的に展開している、ヨハン・ゴットリープ・フィヒテの『全啓示批判試論』Veruch einer Kritik aller Offenbarung 1792 は、1793年の第二版のタイトルペー…

Fragment I

Alexander Pope: An Essey on Man (1732-34) An Essay on Man: And Other Poems - Alexander Pope - Google ブックス Barthold Heinrich Brockes: Hrn. B. H. Brockes, Lti, [...] Aus dem Englischen übersetzter Versuch vom Menschen, des Herrn Alexande…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(3)

前回記事までの続き anti-optimization.hatenadiary.jp anti-optimization.hatenadiary.jp 今回は動物と人間の関係から感染症に関してコメントしたジェーン・グドール氏の発言を取り上げるところから始めたい。 www.afpbb.com グドール氏は電話での質問に答…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(2)

前回記事の続き。 anti-optimization.hatenadiary.jp 次に紹介したいのは、医療人類学者磯野真穂氏への4月2日午後に行われたインタビューの記事である。この記事ではベースラインとして管理社会へ向かう懸念と、しかしそうは言えども行動制限の対象となる人…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(1)

COVID-19に関しては、様々な分野で論文や記事が書かれ続けている。医学系、疫学系の論文を読みこなすのは困難であるが、私が十分に読むことができ、関心を持てるものをここに集約し、その要点を抜粋する。これは今後論文を書くための準備であり、基本的に私…

ニコライ・トゥルベツコイ『音韻論の原理』1939年(2)

前回記事の続き。 anti-optimization.hatenadiary.jp 連続体として存在している音声現象をどのように分析するか、という点で音声学は音韻論による意味論的分節に負うところがあるのは確かである。Trubetzkoyは次のように述べて居る。 Der Schallstrom, den d…

ニコライ・トゥルベツコイ『音韻論の原理』1939年 (1)

使用テクスト:N.S. Trubetzkoy: Grundzüge der Phonologie. Göttingen; Vandenhoeck&Ruprecht 1977 (6. Auflage) Nikolai Sergejewitsch Trubetzkoy 1890 (Moskow) - 1938 (Wien) 民族誌と言語学を専攻した彼は、1916年サンスクリットの比較言語学的研究で…

analogy in science

どのような隠喩のもとで対象を捉えるのか、ということが科学的探究に際しても方針を与えることがある。隠喩というのは実に強力な言語上の道具であって、人間の身体運動の制御や、聴覚能力そのものにまでも影響を与える。隠喩は知覚や行為に与えられる一種の…

cinema kantiana 1 Ladri di Biciclette et al.

「自転車泥棒」Ladri di Biciclette 制作: 1948年 監督: Vittorio De Sica キャスト: Lanberto Maggiorani, Enzo Staiola et al. ネオレアリスモの名作と称されるこの作品は、モノトーンの映像にローマの強い日差しがどのような映像を与えることになるかを、…

music tropic 2: Osvaldo Coluccino - Parallelo

Osvaldo Coluccinoは、現代イタリアの作曲家、詩人である。 イタリアやドイツ語圏では既にかなりの評価があるようだ。ある記事によれば、イタリアの言葉は常に音楽とともに語られるべきであるが、彼の詩もまたそうであり、静寂のなかから浮かび上がる言葉は…