anti_optimized haunted processor

Germanistik, Philosophie(Aufklärung, Phänomenologie, Logik), Biologie, Musik und Kunst

日記

昨日今日とやはり朝から調子が悪かった。覚醒し、目を開く前から今日はこのしんどさを前提に動かなければならない、というのがわかる。本を読んだりメモを作成したりしていたが、集中力に欠いた。眠りが浅いのか、夢見が悪いのか、酔ったように頭がぐらぐらする。なかなか十分に覚醒しない。靄がかかっている。窓から空を見ると重く雨雲が広がっている。

買い出しに行ったりお昼ご飯を食べたりしてからもう一度床に着いた。買い物の帰りからすでに雨が激しく降っていたが、午後も降ったり止んだ利を繰り返している。昼寝から覚めても気持ちの悪いめまいのような感覚。疲れが取れないまま短い時間で目が覚めるとこういうことはよくある。夢の世界に魂を一部置いてきてしまったかのような感じがする。

スーパーマーケットの野菜売り場で、丸々したキャベツに黄金虫が止まってもぞもぞしていたのもそのせいだろう。

宵には先週に続きG&Jの『動物意識の誕生』の読書会に参加した。今回は第二章、意識の動物的・進化的な起源に迫ろうという研究を試みた特に六人の人物(ハートリー David Hartley (1705-1757)、カバニス Pierre Cabanis (1757-1808)、ラマルク Jean-Baptiste de Lamarck (1744-1829)、スペンサー Herbert Spencer (1820-1903)、ダーウィン Charles Darwin (1809-1882)、ジェームズ William James (1842-1910))を近代の思想史、生物学史から拾い上げ、またさらに20世紀の現代的な研究に至るまでの道筋を立てるという内容だった。

18世紀19世紀の思想史・生物学しに関してG&Jが選択した人物たちは確かに一里塚となる成果を残した人物と言えるだろう。ただし、ロックが多少は論じられたのに対し、コンディヤックが抜け落ちている点は何故だろうか。考えられるのは理由の一つは、主張を組み立てる上でそこまでの必要がないというもので、歴史というのは掘り出せば掘り出すほどキリがないので、コンディヤックを省くのもやむなしだが、ハートリーが取り上げられたのにコンディヤックは名前だけというのは少し可哀想な気もする。

また、カバニスについては観念学派の提唱者ということで重要ではあるものの、彼の思想に独自性があまり感じられない(少なくとも紹介された限りでは)ので、この時代の思想家の中でも彼をとりわけ重視しているように見えるのは、G&Jが参照している科学史の有名な研究者Robert J. RichardsのDawin and Emergence of Evolutionary Theories of Mind and Behaviorで彼がスペンサーと並んで重視されていることに由来するのかなと思った。

www.google.co.jp

例えばカバニスの主張の多くはハラー Albrecht von Haller (1708-1777)やクリューガー Johann Gottlob Krüger (1715-1759)たちの議論にも見出すことができるだろうし、フランスでは酔っ払いみたいな顔したラ・メトリー Julien Offrey de la Metrrie (1709-1755)も似たようなこと言っていると思うのだが、しかしカバニスが特に重要だった点はどこにあるのか、今ひとつわからなかったので、Richardsの本をまた読んでみようと思う。

とはいえラマルクである。ラマルクの思想史的な系統が今ひとつわからないので、彼をどう理解するべきなのかまだ十分掴めていない。この本でも結局その点は解消されていない。

私が好んで読んでいるTobias Cheungの有機体論の研究書では、マラン・キュロー・ド・ラ・シャンブル Marin Cureau de la Chambre (1594-1669)やかのライマルス Hermann Samuel Reimarus (1694-1768)の本能論が詳細に紹介されているのだが、それを読むとロックやハートリー以後の流れに見えない様々な思想史的な背景が存在しているように思え、尚更困惑してしまう。詳細はここでは割愛するが、この辺りをもう少しはっきりさせていく必要がある。

基本的に感覚的に現在していない対象に動機付けられた行動が重要になってくるとは思う。この点を重視して、さらに研究を進めていきたい。

 

ちなみにラマルクの『動物哲学』のドイツ語翻訳

www.google.co.jp

ライマルスの本能論

www.google.co.jp

シャンブルの動物論のドイツ語翻訳

digital.slub-dresden.de