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Germanistik, Philosophie(Aufklärung, Phänomenologie, Logik), Biologie, Musik und Kunst

Entries from 2020-04-01 to 1 month

ニコライ・トゥルベツコイ『音韻論の原理』(3)

前回記事の続き。 anti-optimization.hatenadiary.jp 音韻論が構造主義的である所以は、まさしく次の規定によるだろう。 Der Begriff der Unterscheidung setzt den Begriff des Gegensatzes, der Opposition, voraus. [...] Distinktive Funktion kann dahe…

J.W. von Goethe 古典期詩二編の翻訳

Meeresstille 海の静けさ Tiefe Stille herrscht im Wasser,Ohne Regung ruht das Meer,Und bekümmert sieht der SchifferGlatte Fläche rings umher.Keine Luft von keiner Seite!Todesstille fürchterlich!In der ungeheuern WeiteReget keine Welle sich.…

Friedrich Hölderlin 晩期二篇の翻訳

Friedrich Hölderlin aus Sämtliche Werke und Briefe Bd.1. Wissenschaftliche Buchgesellschaft. 1988. Das Angenehme dieser Welt… Das Angenehme dieser Welt hab ich genossen, Die Jugendstunden sind, wie lang! wie lang! verflossen, April und Mai…

Mémoire du sommeil 7

14. April - 16. April 消してしまうか、消えてしまうか、私の鼻先の景色。町に出れば空が覗く、空いた道が伸びる、中層の雲が落とす影に響く足音はない。 なお何かが足りない。言葉がやはり足りない。何もかもが何かを言っているのに、 時に言葉が朗々と響…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(3)

前回記事までの続き anti-optimization.hatenadiary.jp anti-optimization.hatenadiary.jp 今回は動物と人間の関係から感染症に関してコメントしたジェーン・グドール氏の発言を取り上げるところから始めたい。 www.afpbb.com グドール氏は電話での質問に答…

Mémoire du sommeil 6

7. April - 13. April 2020 日々の記録をつけることの虚しさに打ち勝つことはできない。そもそも虚しさに打ち消すことなどできない。だからお前たちの吐く言葉を否定することに、私は疲れてしまった。お前たちの存在を否定する毎に、私は自ら咥えた銃で、ズ…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(2)

前回記事の続き。 anti-optimization.hatenadiary.jp 次に紹介したいのは、医療人類学者磯野真穂氏への4月2日午後に行われたインタビューの記事である。この記事ではベースラインとして管理社会へ向かう懸念と、しかしそうは言えども行動制限の対象となる人…

ハイブリッドに対峙する:COVID-19関連論文・記事の要点(1)

COVID-19に関しては、様々な分野で論文や記事が書かれ続けている。医学系、疫学系の論文を読みこなすのは困難であるが、私が十分に読むことができ、関心を持てるものをここに集約し、その要点を抜粋する。これは今後論文を書くための準備であり、基本的に私…

Cloud Pattern Ruler 2

暖かな昼の明るさが公共に供されたこの彫刻に誘き寄せたのは、啓蟄を了えた渦巻く生命だけではない。本庄まな子の心根が、その表層を、そして深層を、厚みを超えて這い寄り、僅かな隙間から侵入し、最後にはこの物自体を頑健に維持する繊維となるように伸び…

spiritus et existentia 2

1. April - 5. April 2020 これもまた一つの日記である。 ✳︎ ✳︎ ✳︎ youtu.be ✳︎ ✳︎ ✳︎ 存在しない場所とは、「場所 place」として存在しないのか、空間的に存在し得ないのか、本当のところよくわからないものである。確かに原語のtopos という語からすれば、…

ニコライ・トゥルベツコイ『音韻論の原理』1939年(2)

前回記事の続き。 anti-optimization.hatenadiary.jp 連続体として存在している音声現象をどのように分析するか、という点で音声学は音韻論による意味論的分節に負うところがあるのは確かである。Trubetzkoyは次のように述べて居る。 Der Schallstrom, den d…

Zeichnen: Das versterbende Selbstbewusstsein des Erlkönigs

Erlkönig - Johann Wolfgang von Goethe, 1782 Wer reitet so spät durch Nacht und Wind?Es ist der Vater mit seinem Kind;Er hat den Knaben wohl in dem Arm,Er fasst ihn sicher, er hält ihn warm.Mein Sohn, was birgst du so bang dein Gesicht? –Si…

ニコライ・トゥルベツコイ『音韻論の原理』1939年 (1)

使用テクスト:N.S. Trubetzkoy: Grundzüge der Phonologie. Göttingen; Vandenhoeck&Ruprecht 1977 (6. Auflage) Nikolai Sergejewitsch Trubetzkoy 1890 (Moskow) - 1938 (Wien) 民族誌と言語学を専攻した彼は、1916年サンスクリットの比較言語学的研究で…

analogy in science

どのような隠喩のもとで対象を捉えるのか、ということが科学的探究に際しても方針を与えることがある。隠喩というのは実に強力な言語上の道具であって、人間の身体運動の制御や、聴覚能力そのものにまでも影響を与える。隠喩は知覚や行為に与えられる一種の…